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4日目。
苫小牧を抜けて、海沿いに長万部方面へ向かう予定だった。
室蘭から函館にかけてはキャンプ場がかなり少ないが、まあどうにかなるだろう・・・。という感じで。
が、苫小牧で寄り道。白老で寄り道。室蘭で寄り道。
時間がなくなって、結局室蘭宿泊となった。130kmくらいしか走っていない。
https://goo.gl/maps/soSTo1twmTr
モラップキャンプ場
↓道道141→道道259→道道781→苫小牧へ
トヨタ自動車北海道工場(謎)
↓道道259→国道36→白老へ
ポロトコタン アイヌ民族博物館
↓国道36→道央自動車道→国道36→室蘭へ
イタンキ浜
↓市道イタンキ海水浴場通線→道道919(通称:観光道路)
トッカリショ展望台
↓道道919(通称:観光道路)
金屏風
↓道道919(通称:観光道路)
地球岬
モラップキャンプ場で徹営をして出発したのは10:00過ぎと、キャンパーとしてはかなりスロースターターだ。
他にもバイクの人がキャンプしていたが、さすがにこの時間だと皆居なくなっていた。
コンビニ行きたいし苫小牧にでも行くか・・・。と地図も見ずにブラブラ走っているとなぜかトヨタ自動車北海道工場に着いた(謎)
さすがにこれはいかんぞ・・・。と、地図を見て国道36号を海沿いに室蘭方面へ向かうことに。
苫小牧は意外と開けていた。
国道は中央分離帯ありの片側2車線道路でなかなか豪華だ。
が、冬になると1車線なくなりそうだ。
36号線沿いはJR室蘭本線が真横に通っているため、北海道の列車を達を拝んだり、競争したりできる。
これは、特急「スーパー北斗」 千歳行き。
キハ281系ってやつですかね。キハなのでディーゼル。コマツの直六ってwikipediaさんが言ってた。
これ以外にも特急「すずらん」が785系・789系で走っていて、この人たちは電車なのでこの線路には電線もちゃんと走っている。
ポロトコタン アイヌ民族博物館
36号沿いにあったポロトコタンの看板とムックリの奇妙な音色に誘われて白老(しらおい)のアイヌ民族博物館に入館した。
綺麗に整備されたポロト湖の湖畔にいくつかの建物が復元されている。
この建物はチセと呼ばれており独自の形式を持っている。
民族資料館の学芸員の方に色々教えて貰ったときに撮った動画のキャプチャだ。
チセのゾーニングは屋根のある家と、ヌササンと呼ばれる祭壇を抜きに考えることはできない。
ヌササンは屋外にあり、いわゆる神棚だ。
ここには、イナウと呼ばれるけずりかけを立て並べて、イオマンテといったような儀式をする。
ヌササンは家の一方面の壁に設けられた窓から見えるようになっており、ここからカムイ(神)が出入りするとされているのだ。
なので、必然的に人の出入り口はそれとは反対側になる。
白老ではカムイは東の方角にいるとされているようだ。カムイは高い山の上にいるのだという。
具体的には樽前山など(正確には北東になるのかもしれない)
なお、アイヌの概念に鬼門のような考えはない。だが、いいカムイと悪いカムイが居る。
悪いカムイのことを、ウェンカムイと呼ぶ。
チセは段差のついた草葺きで、下屋をもつ。
これは、屋根に乗った雪を少しずつ落とすための工夫なのだという。
また玄関を下屋にすることで出入り口に雪が落ちてくるのを防いだのだという。
壁も草でできており、カムイの出入りする窓以外にも複数の開口部を有する。
その大きさは小さく、数も少ない。これは北海道の厳しい寒さをしのぐための構造なのだろう。
柱は全て掘建である。アイヌは地べたに直接草を敷いて生活していたため、柱の土台を必要としなかったのだ。
なぜ地べたに直接寝たのか?本州の感覚で考えると、地べたに直接寝ると地面に熱を奪われて寒い。
だが、この地では床を上げると風が通ってかえって寒く、地熱のある地べたの方が暖かかったのだという。
ところで、みなさんは「カムイ」のアクセント、どこにもってきますか?
わたしはずっと先頭の「カ」にあると思っていましたが、「ム」にアクセントがあります。
他にも変わった発音が見られる。
☆アイヌ語に多く見られる小さいロ
例えば、シマフクロウのことをアイヌ後で「コタンコロカムイ」と書く。
このロは小さいロ(ローマ字ならxroになる)で、発音は[ r ]となり、撥音のように扱う。
つまり、コタンコロカムイを[ kotan kor kamuy ] (コタンコッカムイ)と読む。
☆アイヌ語に多く見られる小さいプ
キタキツネのことを、「チロンヌプ」[ chironnup ](チロンヌッ)と読む。
☆アイヌ後に多く見られる小さいレ
同じようにして、小熊のことを「ヘペレ」[ heper ](ヘペッ)と読む。
もしも、「ヘペレプ」という言葉があれば、[ heperp ](ペペレッッ)と読む。
実際に声に出してみると意外と読むのが難しい。
このように、明らかに日本語ではないアイヌ語だが、ルーツは不明なのだという。
旧石器時代から和の国とアイヌは交流があり、主に福島と新潟を拠点に交易を行っていた。
この頃はアイヌは東北、北海道以北にいたとされている。
その後、大和朝廷の侵略がすすんだのは弥生時代以降。
稲作の伝来が土地の奪い合い、環境破壊へと繋がっていった。日本の戦争の歴史はここから始まるのだ。
というのが、民族資料館で学芸員さんから教えていただいた事のうち理解できたことだ。非常に興味深かった。
ワンコイン程度の入場料でこれだけのことを教えていただけたら十分に元が取れただろう。
ここでひとまず勉強してからゴールデンカムイという漫画を読むと、とても面白い。
アイヌの勉強をしなくても、ゴールデンカムイはなかなか面白いので是非買おう!
実際に、資料館のチセに入ってみた。
あくまで復元モノなので、柱などの構造材はどうみてもオリジナルではない。
が、保存のために干された鮭は本物であり、アイヌの生活感を垣間見る事ができる。
1時間ごとにアイヌの血を受け継ぐ学芸員さんたちがアイヌの暮らしについてのレクチャーをしてくれる。
今時珍しく、写真は撮り放題だという。撮りまくってぇ〜!と言っていた。
女性の刺青についての解説があった。
15歳くらいからだったか・・・。鼻と唇の間に少しずつ傷を入れて墨を刷り込んでいく。
墨がしっかり定着して模様になれば大人になった証だという。
刺青もまた、本州では一般的にはない文化であろう。
アイヌの舞踊。
女性にタンバリンのようなものを叩いてリズムを作る人が居る。
ここに途中から男性が入り賑やかで力強い踊りになる。男性は本州から手に入れた刀をカチャカチャ鳴らして踊る。
この刀は、儀式のためのものであり、狩りには用いないのだという。
狩りの際は、矢尻にトリカブトを仕込ませた弓矢を主に用いた。
ここで疑問が湧いた。トリカブトがついた獲物を食べて大丈夫なのだろうか。
そのトリカブトとかいうのが獲物の血液に入って循環したら、その獲物を食べた人は死ぬのでは?
ということで、レクチャーをしてくれた学芸員さんたちに聞いてみた。
トリカブトがついて倒れた獲物から20分以内くらいのうちに矢を抜けば大丈夫らしい。
トリカブトのついたあたりの筋肉は硬化し、ボロッと取れるようだ。
とはいえ、学芸員さんたちも実際に試すのは怖いのでやったことはない。と苦笑していた。
今度は逆に、学芸員さんから質問をされた。
「アイヌの血を受け継ぐ私たちは狩りをして生きているわけでなく、皆さんと同じ日本人として義務教育を受けて育ち、いわゆるサラリーマンとして生活しています。では、何を持ってアイヌといえるのでしょうか?」
この質問に私はうまく答えられた気がしない。
ところで、ここポロトコタンには学芸員さんだけでなくユニークなスタッフも居ることを忘れてはならない。
あの有名なお父さんの妹。今や貴重な北海道犬だ。
かわいい。
他にも・・・
この茶色い子には、柵越しになぜか懐かれた。
なんとなく話しかけてから、この子から離れようとしたら、ワシも連れていってくれぇ〜とばかりにあちらこちらをウロウロするようになってしまった。
それを見た、スペイン人ハーフっぽい若くてスタイルの良い女性がすげぇ驚いて、
「お兄さん、本当に帰っちゃうのー?この子がかわいそうだよぉ〜」
おじさんは、ちょっと嬉しい。グヘヘエwwwww
お次は山の神、キムンカムイで有名なヒグマさんだ。
う〜ん。こうも飼い慣らされてしまうと・・・。
斜めのパイプに餌を入れてヒグマを餌付けできるシステムだ。
誰も餌を入れていないのにパイプにかじりつく姿勢からは疲れ切ったサラリーマンのような悲壮感が漂っていた。
親切なおじさんが餌をパイプに入れてくれたので必死にがっつクマー
おじさん苦笑・・・。
このポロトコタンは2018年3月31日をもって一度閉館している。
新館に移動するためだ。新館の開館は2020年4月24日予定だ。こんなに素晴らしい施設がしばらく利用できないのは残念だが、新館ができたらまた行ってみたい。
ポロトコタンで時間を使いすぎた・・・。早く移動せな・・・。
室蘭 日鉄住金工場
白老からは道央自動車道も使って室蘭まで瞬間ワープした。
国道36号からさらに海沿いへ行き、道道919号へ入る。
ここは室蘭市民からは観光道路と呼ばれている道路であるが、決して観光できるような広い道路ではない。
1〜1.5車線で見通しの悪い狭いクネクネ道が続く。
パッと景色が開け、見えたのは日鉄住金工場。
鉄の町、室蘭。煙突から豪快に吹き出す煙や蒸気は皆のイメージする北海道とはちと違うかも。
ちなみに、これらの煙突の中には、夜見ると炎を噴き出してるヤツがある。見ものだぞ!
トッカリショ
観光道路を道なりに進むと海が見えてきた。
ここはトッカリショ(トカル・イショ アザラシの岩)
海と緑と奇岩の風景が北海道らしい秘境感を出している。
この辺りの岩に張り付くように生えている草が、たこ焼きの青のりみたいに見えるのは私だけだろうか。
おそらく元からこのような植生だったのではない。人々が薪として木を伐採した結果草しか生えなくなったのだろう。
金屏風
さらに観光道路を進むと、次は金屏風が見えてくる。
アイヌ語で「チヌイェピラ(彫刻のある崖)」と読む。
青い空と、青い海、そしてなめらかな岩肌が美しいが、断崖絶壁だ。
岩肌に夕日が当たり、金色の屏風に見えるということらしい。
地球岬
地球岬に到着した。
アイヌ語で断崖を意味するチケプがチキウとなり地球と呼ばれるようになったとか。
清々しい陽気だ。
水平線が丸く見えるような気がしなくもない。
右手に見えるのは函館。
いい時間になってしまった。
キャンプ場を探さなくては・・・と、バイクで地図を見ていると
「今からキャンプ?もうすぐ暗くなるよ?近くにキャンプ場ないでしょ?うちくるかい?」
と地域の方に声をかけられて、ホームステイさせていただいた。
そのお宅でいただいたのがこれだ。
室蘭やきとり。
私はね、一応知ってましたけど、こんなのギャグだと思ってましたよ。
やきとりなのに豚バラ肉っていうやつ。
豚バラ肉に甘辛い玉ねぎが挟んであって、美味いんだなこれが・・・。
室蘭やきとりにあうお酒を飲みながら、ホストの方と夜遅くまで語り明かした。
というところで4日目は終了だ。
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